ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅣ 感想
著/宇野朴人 イラスト/さんば挿
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)posted with amazlet at 13.12.05
個人的評価(面白さ):☆7(8段階中)
ジャンル:ファンタジー・戦争(戦記)
ここからは何を書いてもネタバレになるので、読んでくれる人がいたら、きっと僕と同じようにアルデラミンにハマってる人、応援したい人、アルデラミンが好きすぎる人だと思う。
なのでここからは思うままに書いていこうと思う。
それと個人的な備忘録としても。
・まず、巻頭に人物名が羅列されててそれっぽくなってきた感じが嬉しかった。
・北域動乱のひとまずの集結を経て、当然だが戦後処理がある。
そして、この内容の濃いアルデラミンの中で一つ、みんなの意見が纏まることがある。
(北域鎮台司令長官)タムツークツク・サフィーダの処刑だ。
死刑宣告のその時まで醜態を晒すその生き様には、
登場人物でなくとも、最早掛ける言葉が無い。
これは希望も混じっているが、『騎士団』の誰かがサフィーダ中将と同じ宣告を受けることになったとしても、彼らはその時まできっと勇ましくあり続けるのだと思う。そういう違いだ。
・そして物語は平和的解決をみせるためマシューの故郷へ。
エボドルク州はカトヴァーナ帝国建国時よりテトジリチ家が治めている州らしい。
それも読み進めていけば納得できるものだった。なんだろう。ものすごく懐の深い人特有の温かさがあった。
さんば挿さんのハロとヤトリ、シャミーユ殿下可愛かった。
ハロの方がおっぱい大きいと思ってたけど、あのイラストを見る限りではヤトリの方が大きい?
イクタとトルウェイ、シャミーユで娼館に潜入調査したときのシャミーユがとても可愛かったです。
この三人の装いをイラストで見たかったな~。
ていうかこの物語、ひいては帝国では何歳からお酒飲んでいいんだ。確か1巻の卒業式典のようなところで既に飲んでいた記憶があるから、17歳ではもう大人に近い扱い?
ハロとヤトリの二人が娼婦に扮して隣州との取引現場に連れて行かれたシーン。
あそこでヤトリの状況把握能力や正確な動きなど、改めてヤトリの強さを見られた気がした。彼女の部隊に入れた人は幸せを感じ忠誠を誓うんだろう。まさにカリスマ。
今のところヤトリが魅力的すぎてハロの存在感薄いのが個人的に気になってる。イクタという主人公がいる以上、ヤトリが絶対的に魅力的だし、僕ももちろん好きなんだけど、ハロにもシャミーユにも魅力を感じているので。
シャミーユは皇族という立ち位置上ある程度話に入れるけど、ハロは主に後方で支援する衛生兵。少なくなるのはわかるけどもっと出番増やしてくれぇ!!身近で貴重な年上枠なんだぁ!!
ハロの話になったので書いておくと、僕はラノベの場合、ある程度キャラのセリフに脳内で声を割り当てて読んでいる。
イクタは浅沼晋太郎さん、ヤトリは今井麻美さん、トルウェイは野島健児さんみたいな感じで。ほとんどはキャラの性格、喋り方でパッと割り当てられるんだけど、ハロだけ割り当てられない。
その理由としては年上で物静かなんだけど天然ボケで語尾が「ですぅ~」とかでキャラの特徴を掴みきれていないことが大きいと推測している。最初イラスト見たとき癒し系だなーと感じ、物語内でも癒し系っぽいので浅倉杏美さんを割り当てようとしたんだけど、年上という部分が盛大に外れてて合わせきれなかった((笑)っていいのか?)
なので次におとなしめの声の種田梨沙さんを当てたんだけど、今度は癒しの部分が消えた…。
そんなの気にしなければいいじゃんと思うかもしれないですが、イラストがあるとどうしてもキャラが喋っている場面がイメージとしてくっきり浮かぶので割り当てないと不自然というか。むしろイクタやヤトリはいつの間にか声がついてたんですよ。なのにハロだけつかない。
僕にとっては不自然。うーむ誰か年上で物静かでだけど天然ボケで語尾に「ですぅ~」がついても不自然に感じなくてそれでいて癒し系の声の人はいないだろうか(まじめ)。
竹達彩奈、花澤香菜、小倉唯・・・うぅむ合わない・・・。あ!!!
今アニメやってる「勇しぶ。」のノヴァちゃんの声合う。
合う合う。やった悩みが一つ解決した。馬鹿にされそうなことでも順を追って真面目に考えれば意外と解決できるのだ。
Twitterで思考をまるごと文字にしながら考えてると結構解決すること多かったりする・・・よね?
ちなみにノヴァちゃんの声優さんは曽和まどかさんという人が担当してます。
関係ないところが長くなってしまった。どうも失礼しました。
エボドルク州の文官(名前忘れた)との掛け合いはシャミーユ殿下の今後の更なる成長に期待したくなった。
怒りを抑えられなくなるシーンは強く印象に残ってる。怒りを乗り越え、怒りを原動力として行動するタイプの人間が好きだったりするので。
・つかの間の休息。
北域動乱の心配の種もひとまずの解決。ミルトーグ・テトジリチとセンパ・サザルーフ、ものの分かる上官を得てシナーク族との関係も良くなってよかったよかった。
・・・イクタが着々とハーレムと形成しているような。スーヤも捨て置けないのです。ナナクはヤトリとシャミーユの出番減らしそうなのであんまり好きくない。繰り返しになるけど、ヒロイン三人が魅力的すぎる。
・サフィーダ(元・中将)にも引けをとらないほど嫌な奴。トリスナイ・イザンマ宰相。
ピエロみたいだ。帝室への忠誠を誓う軍人にとっては一番憎いタイプの人間なんだろう。
そしてトリスナイのおかげでイクタ達は再び東域へ。
・海軍も登場し『忠義の御三家』に数えられるユルグスの系譜も登場。
いやしかし海軍のトップがオカマだって?信じられないぜ・・・(震え声)
ポルミニュエは分かりやすい性格。
ツンツンしてるけど内面は重圧に押し潰されそうな歳相応の女の子。
マシューやトルウェイを散々罵倒してたけどイクタには通用しなかった。女たらし恐るべし。
ここにきてマシューの台頭が著しい。
キオカ海軍も登場し、キオカ海軍唯一の女性司令官でキオカ海軍少将、第四艦隊司令官エルルファイ・テネキシェラという気になるキャラも出てきた。
・全体通しての感想というか。
これまでと比べると、戦後処理や州を股にかけた事件、海軍との合流など盛り沢山な内容だった。
それでいて3巻からの流れを汲みつつも5巻へ上手く繋げるなど、構成的にも素晴らしかった。
海と陸の戦争がどうなるのか、次巻も期待して、それ以上に楽しみにして待ってます!!